講談社の「月刊アフタヌーン」に、
豊田徹也が『珈琲時間』を連載を始めたのは、2008年の夏。
それをさかのぼること3年前の春、
日本で公開されたのが『コーヒー&シガレッツ』です。
監督はジム・ジャームッシュ。
1980年代の半ばに、多感な時期を過ごした人にとっては、
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のモノクロ画面が
よみがえってくることでしょう。
『コーヒー&シガレッツ』もまた全編モノクロで、
11話の別個のエピソードが並ぶオムニバス。
それぞれのつながりは明らかではありませんが、
いずれも珈琲ないし紅茶と紫煙、
そして会話が画面を満たします。
言ってみれば、ジャームッシュにとっての珈琲は、
映画を撮るための口実です。その逆ではありません。
たとえば最新の映像技術を試すために映画を撮るのではなく、
あるいは政治思想を訴えるために映画を撮るのでもなく、
ただただ制作準備と撮影現場と映画館が好きなだけでしょう。
『ジム・ジャームッシュ インタビューズ』
(東邦出版、2006年)
そういえば、ちょうど今、
東京のワタリウム美術館で、
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に主演した
ジョン・ルーリーのドローイング展が開催されています。
本職はミュージシャンなんですが、
心をひきつけるような絵を描く人です。
1月30日から5月16日までのロングラン。
興味のある方はぜひ。概要はこちら。
Let's Have a Coffee Break.
「ジャニー・ギター」は
『大砂塵』の挿入歌。
「皆殺しの歌」は、
『リオ・ブラボー』の挿入歌。
いずれも西部劇。
スターリング・ヘイドンの
「男には珈琲と煙草があればいい」
という名台詞や、
珈琲カップを片手に、
仲間のセッションを見つめる
ジョン・ウェインが良かった。
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